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2024/7/14
「フェミ登山部」とは、主に関西近郊の山を巡ったり、ときどき遠くの山に登ったりもする、トランスやクィア、シスとヘテロも参加する多様なフェミニストたちのコレクティブ。メンバーたちが山を登りながら、ときに下りたあと考えたあれこれを、リレー形式で連載します。第12回は、鈴木洋子さんが、フェミ登山部とはどういうコミュニティか、改めて語ってくれました。
2年ぐらい前、プライドセンター大阪主催のイベント「プライド・クルーズ大阪」に参加した時、久しぶりに会った友だちに「洋子さん山好きだったよね。〈フェミ登山部〉ってのがあって、今度、京都の山に行くから洋子さんも一緒に行かない?」って声をかけてもらって、それからのご縁。
山歩きが大好きで、毎年最低1回は、仕事を休んで登山(最近は「山登り」かな&温泉)に行く生活を長く続けている。同行者は2−3人だったので、10人以上のグループで山に行くのに少し抵抗もあったけど、とりあえず、地元(京都)の知ってる山だし、行ってみるかと参加してみた。……ら、「フェミニズム」という言葉だけの縁だけど、いろんなバックグラウンドの人が参加していて、笑いかけてくれる人や、声をかけてくれる人や、一人黙々と歩く人……。つまり、「新参者」のことも、気を遣いつつ、ほっといて/かまってくれる感じが心地よくて、天気とタイミングが良ければ参加してる。
フェミ登山部での「山登り」や、時々ある「オンラインミーティング」に参加して思ったのが、このチームには強い思いを持った人が中心にいて、その思いに共感した人が集まってきた。でも、今、みんなが中心メンバーに任せっきりにしないで、各自すごく勉強して、一緒にフェミ登山部を動かしている。
ナビゲーターとして手を挙げ、10−20人での山歩きを準備(事前打ち合わせ、何度も目的の山に登ってシミュレーション)して、色んな背景を持つ参加予定者が、不安の無いように、楽しく歩けるように工夫している。
大人数で山歩くって、まぁまぁ大変な事なのよね。でも、それを、力を合わせてやっちゃってる。
すごく気持ちの良いコミュニティ。
「フェミニズムを語る/考える」ために集まって、座ってじっくり話すことも大切だけど、私の性格的に、山や沢を登り、山でご飯食べたり、山を降りてからビール飲みながら色々な話をするのが何より楽しい、面白い。
今年60歳になる(驚!)。その年齢を自己自認できてなくて、「行動が小学生」とよく言われる。
身体はすっかりガタがきてるけど、山歩き用のストックや、筋肉をサポートしてくれるスパッツの力を借りつつ、フェミ登山部のみんなと「あーだ、こーだ」喋りながら、ゆっくりと、時には少し急ぎながら歩く。また、色んな山に行こうね。あ。私も時々はリーダーもしますから。楽しみ。
【2021年 久住山】
最後に……、これは自論だけど「コミュニティ」は、しばらくそこで過ごして、いろいろ学んで、自分をエンパワーして、次の場所に移っていく場所。フェミ登山部は、今の私にとってすごく気持ち良い場所なので、しばらく楽しく過ごさせてもらいますので、よろしくです。
フェミ登山部(ふぇみとざんぶ)
2022年春から活動を始めた、月1ペースで主に関西近郊の山を巡る(時々遠出もする)、トランスやクィア、シスとヘテロも参加する多様なフェミニストたちのコレクティブ。トランス差別をはじめとしたあらゆる差別に反対し、自身の特権性に向き合いながら学ぶ姿勢を持つ20代から70代までの幅広い年齢、そして様々な経験を持つフェミニストたちが参加している。
鈴木洋子(すずきようこ)
京都のいくつかの企業で、新規事業の立ち上げやマーケティング担当として働いてたけど、2年前に早期退職して、今は大学生をしてみたり、今は週3回程度の仕事したりして自由に生きています。ドイツ人パートナーとは30年以上のお付き合い。お互いの家族や友人も認める、仲良し同性カップルだけど、さすがに何の法的サポートもない関係なので、老後を考えて今は絶賛「遺言書」の作成中‼︎この話は、また別の機会に(笑)。
「あの日、山で見た景色」フェミ登山部