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エトセトラブックスの本

砂の境界

砂の境界

ギーターンジャリ・シュリー
藤井美佳 訳

定価

2600円+税

判型

四六変型・並製

頁数

420ページ

装丁

鈴木千佳子

発売

2025年4月8日

原題

Ret Samadhi

ISBN

978-4-909910-28-8

内容

国際ブッカー賞受賞!

 

80歳の母が、家を出た。
行き先は、越えられるはずもない
国境の向こう側。

 

夫を亡くし沈んでいたはずの母が、ある日突然起き上がる。ヒジュラーの友と時を過ごし、娘と旅する先はインド・パキスタンの国境線。カラスは喋り、路は目撃し、神話や哲学も語り出す。あらゆる境界を越え母は進むーー
不可視化された女性の無限を描く、インド作家初邦訳。

 

「母が踏み出す旅は、何百万人もの人々が歩んだことのある旅だ」――ガーディアン

著者情報

Geetanjali Shree
ギーターンジャリ・シュリー

1957年、インドのウッタル・プラデーシュ州生まれ。ヒンディー語作家。2022年、Ret Samadhi(原題:砂の三昧)の英語翻訳版Tomb of Sand(砂の墓)が、ヒンディー語圏の作家として初めてブッカー国際賞を受賞。他の長編に、小さな町の家庭を描写した『母』(1993)、モスク破壊をめぐる激動の一年の都市部の生活を女性が語る『私たちの町、その年』(1998)、女性の愛と、階級やジェンダーなど、抑圧から自由への逃避の物語『隠された場所』(2001)、普通の生活が突然奪われるさまを描いた『空白』(2006)があり、複雑なインドの家父長制社会を生きる普通の人々の心の移ろいを親密な視点で物語にしている。演劇集団「不協和音ヴィヴァーディ」の創立メンバーとしても活動し、女性と女児に対する性加害と暴力を描く「排水溝の少女」などを執筆。現在、デリー在住。

 

藤井 美佳
(ふじい・みか)
1973年東京生まれ。東京外国語大学 外国語学部南・西アジア課程ヒンディー語専攻卒。英語とヒンディー語を中心に映画やドラマの字幕翻訳を手がける。近年の主な字幕翻訳作品に『ガンジスに還る』『バーフバリ』『RRR』『何も知らない夜』『JAWA/ジャワーン』『ジョイランド わたしの願い』『コール・ミー・ダンサー』など。2015年より上映会を企画し、東京外国語大学TUFS Cinemaで南アジア映画の紹介を続けている。

目次

第一章 背中
第二章 陽光
第三章 国境の向こう
訳者あとがき