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エトセトラブックスの本

イン・ザ・ドリームハウス

イン・ザ・ドリームハウス

カルメン・マリア・マチャド
小澤身和子 訳

定価

2600円+税

判型

四六変判並製

頁数

352ページ

装幀

鈴木千佳子

発売

2022年6月24日

ISBN 978-4-909910-15-8

内容

女と女の〈夢の家〉で起きた、暴力と私の痛みの記録
 

デビュー短編集『彼女の体とその他の断片』が世界中で絶賛を浴び、「21世紀の小説と読み方を変える、女性作家の15作」に選出されたカルメン・マリア・マチャド待望の第2作は、レズビアン間のドメスティック・アビューズ(虐待)を語る〈メモワール〉。

スリラー、おとぎ話、SF、クィア批評、裁判記録…etc. あらゆる形式で〈あの記憶〉を再構築し、あなたを揺さぶる146の断片

 

これまでも女性は女性を虐待してきた。
クィアがこの問題を真剣に取り上げる必要があったのは、誰もそうしようとしなかったからだ。(本文より)

 

この本は、証明したり名づけたりするのが難しい暴力に苦しみ、自分の物語を語る方法を探している読者への贈りものだ。
――サンフランシスコ・クロニクル

 
アビューズの回顧録について私たちが知っていると思っていたことは、この本ですべて打ち砕かれる。
――エンタテインメント・ウィークリー

 
マチャドの<家>へようこそ。禁断の部屋へ進み、床が抜けた世界を見よ。
――ニューヨーク・タイムズ

 
トラウマ、サバイバル、そのすべてを語るための〈ことば〉を思索した傑作。
――タイム「ベストブック2019」

 
【正誤表】
本書の中で、下記の間違いがございました。

 

P.347 訳者解説
(誤)シスジェンダー中心の文学に対する挑戦 
(正)セクシュアル・マジョリティ中心の文学に対する挑戦

 
クィア、セクシュアル・マイノリティへの認識が不足した表現でした。ここに訂正とお詫び申し上げます。

著者情報

著者
カルメン・マリア・マチャド Carmen Maria Machado
1986 年、ペンシルベニア州生まれ。キューバからの移民である祖父の影響で幼少期から物語を書きはじめ、大学ではジャーナリズムを専攻、その後、写真学科に転入する。アルバイトを転々としながら小説を執筆したのち、アイオワ大学のライターズ・ワークショップへの参加が叶い、芸術学修士号(MFA)を取得。デビュー短編集『彼女の体とその他の断片』は、そのクィアな作風から30 社ほどの出版社に断られたが、2017 年に非営利出版社グレイウルフ・プレスから刊行されると、全米図書賞、ローカス賞をはじめ11の賞の最終候補となり、全米批評家協会賞、シャーリイ・ジャクスン賞、ラムダ賞(レズビアン文学部門)など9つの賞を受賞、ベストセラーとなる。18 年には、「ニューヨーク・タイムズ」紙の「21 世紀の小説と読み方を変える、女性作家による最高の15 冊」に同書が選出される。第2作目となる本書は、ジュディ・グラーン・アワード・フォー・レズビアン・ノンフィクション、ラスボーンズ・フォリオ賞ほか数々の賞を受賞。「タイム」誌など主要メディアの今年の一冊リストに選ばれた。DC コミックスから20 年に刊行された『The Low, Low Woods』では原作を担当、同シリーズはこれまで6巻刊行されている。現在は、ペンシルベニア大学で教えながら、妻ヴァル・ホーレットとフィラデルフィアに住んでいる。次回作は、天体をモチーフとした短編集『A Brief and Fearful Star』。

 

 

訳者
小澤身和子(おざわ・みわこ)

東京大学大学院人文社会系研究科修士号取得、博士課程満期修了。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン修士号取得。編集者を経て、通訳、及び翻訳家に。訳書にリン・ディン『アメリカ死にかけ物語』、リン・エンライト『これからのヴァギナの話をしよう』、ジェニー・ザン『サワー・ハート』(いずれも河出書房新社)、ウォルター・テヴィス『クイーンズ・ギャンビット』(新潮文庫)、カルメン・マリア・マチャド『彼女の体とその他の断片』(小澤英実、岸本佐知子、松田青子との共訳/エトセトラブックス)。