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エトセトラブックスの本

翻訳する女たち 中村妙子・深町眞理子・小尾芙佐・松岡享子

翻訳する女たち 中村妙子・深町眞理子・小尾芙佐・松岡享子

大橋由香子

定価

2400円+税

判型

四六判・並製

頁数

288ページ

装丁

福岡南央子(woolen)

発売

2024年11月18日

ISBN : 978-4-909910-25-7

内容

翻訳する女がまだ珍しかった時代、
本に生き、言葉を探し、翻(ひるがえ)してきた女性たちのストーリー。

 

大人になる前に戦争を経験し、翻訳者も編集者もまだほとんど男性だった頃の出版界に飛び込み、半世紀以上も翻訳してきた女性たちがいる。児童書から文学、ミステリまで、読み継がれる数々の名訳を残す中村妙子、深町眞理子、小尾芙佐、松岡享子――丁寧なインタビューをもとに4人の翻訳家の人生をつづった、連載「“不実な美女”たち」(光文社WEB)待望の書籍化。

 

単行本への書き下ろしとして、フェミニズムの思想とことばを日本に紹介してきた、加地永都子、寺崎あきこ、大島かおりの章をあらたに収録。

著者情報

大橋由香子

おおはし・ゆかこ

1959年東京生まれ。フリーライター・編集者、非常勤講師。著書に『満心愛の人――フィリピン引き揚げ孤児と育ての親』(インパクト出版会)、『ニンプ・サンプ・ハハハの日々』(社会評論社)、『中村桂子』『鳥飼玖美子』(どちらも理論社)、『からだの気持ちをきいてみよう』(ユック舎)、『異文化から学ぶ文章表現塾』(共著、新水社)、『記憶のキャッチボール』(共著、インパクト出版会)、共編著『福島原発事故と女たち』(梨の木舎)ほか。光文社古典新訳文庫サイトで「字幕マジックの女たち:映像×多言語×翻訳」連載中。

目次

はじめに 翻訳する女性が珍しかった時代

 

第一部 不実な美女たち――女性翻訳家の軌跡

 

Vol.1中村妙子
「クリスティ、ナルニア国、ピルチャー
子どもはさまざま、本もいろいろ種類があったほうがいい」

 

Vol.2 深町眞理子
「キング、アンネの日記、シャーロック・ホームズ
英米の小説の翻訳なんかやってます」

 

Vol.3 小尾芙佐
「アシモフ、アルジャーノンに花束を、エリオット
異なる文化のしみついた言葉をおきかえていく」

 

Vol.4 松岡享子
「ヘンリーくん、パディントン、ブルーナ
子どもが喜ぶと、もっと喜ばせたくなる」

 

第二部 ひるがえりひるがえす女たち

 

女たちが翻訳するまでの前史

私が出会った翻訳者の思い出

加地永都子さん──反戦や解放運動、アジアの風を伝える
寺崎あきこさん──ドイツと日本の女たち、「おいでよ こちらに」
大島かおりさん──女が女を訳す、名づけ直し遺していく

 

おわりに
参考文献